出演/草刈正雄(ラフカディオ・ハーン)・紺野美沙子(小泉セツ) 金内喜久夫・川野太郎・田代隆秀・石橋徹郎・渡辺吾郎・前田聖太 長谷川稀世・大西多摩恵・安部愛子
美術/倉本政典 照明/井口 眞 衣裳/前田文子 音響/秦 大介 演出助手/西本由香 舞台監督/畑崎広和 共催/朗読座
単純、温和、丁寧、親切、ホホエミ、幽霊。ソンナモノヲ愛スル人間ハ、イラナイノデス。 明治23年、アメリカより日本に渡ってきたラフカディオ・ハーンは、島根県尋常中学校の英語教師として松江に赴任する。 松江の朝、宿の外から聞こえてくるさまざまな音に感動するハーン。身の回りの世話をする小泉セツと所帯を持った彼は、セツの実母・養父母・養祖父をすべて家族として迎え入れる。孤独な日々を送っていたハーンにとって、家族を持つ幸せは何にも代えがたいものなのであった。古くから伝わる民話や神話を愛し、それらを英訳し出版する事で日本を世界に広めてゆく。しかし松江の冬の寒さには勝てず、熊本へ移り住むハーン一家。そこには慌ただしい近代化と共に、日本の美しさ、心の豊かさを失った物質本位の「日本」があった。帰化し小泉八雲を名乗るようになっても、「古き佳き日本」は不要なものとして排除されてゆく。 八雲の憂いた日本はどうなってゆくのか。ヨキトコロ日本は、八雲の心の中だけにあった面影だったのか、それとも… <東京公演> 芸術文化振興基金助成事業 2014年5月28日(水)~6月2日(月) 俳優座劇場
撮影:谷古宇正彦